毎日忙しいけど、職員同士がお互いに認め合う機会を設けたいと思い
ディズニーランドがやっている感謝の気持ちを書いて壁に張り出すことも
やっていたのですが、忙しさで長続きしませんでした。
今は、毎週末の職員会議の最後に「今週のありがとう」というコーナーを設け
日頃、なかなか言えないような感謝の気持ちを職員同士が伝えあいます。
その最後に心が温まったり、奮い立ったりするエピソードの読み合わせをしています
その内容を今回紹介します。
『毎日落ち込んでるよ』 本田圭佑 苦境でも諦めない生き方
ミラン時代、モンテッラ監督が就任して以降の本田は、スペイン人のスソに右FWのポジションを奪われ出場機会が減る等、決して好ましい状況ではなかった。その影響で、日本代表でもサウジアラビア戦で先発から外れてしまった。状況を好転させるために、もっとモンテッラ監督の機嫌を取ろうとしてもいいはずだったが、それでも本田は媚びようとしなかった。逆にモンテッラ監督にとって耳の痛い進言をしていたほどだ。たとえば試合後のロッカールームで、「今日勝てたのはたまたま。勝利は嬉しいがチームの練習が足りないのは明らかで、今後も勝ちたいならもっとやるべき」と監督に伝えた。…これからの記録は、そんな本田に質問を投げかけた時のやり取りだ。
「負けた試合の後には言わないですよ。でも勝った時はみんな聞く耳を持つから、厳しいことを伝えるチャンス。もちろん試合に出たい。でも弱いミランではなく、強いミランでこそ、ポジションを奪い取る価値がある。何より僕は人にアドバイスをするのが好きなんですよ」
――助言によって、仲間がいいプレーをしたら嬉しい?
「嬉しいね。僕の言葉を受け入れてくれて、その人のターニングポイントになったら、自分の喜びになる。FKを蹴ることだけでなくて、アドバイスも自分のスキルだと思っているんで。日々考えるわけですよ、どうしたら本田圭佑がオンリーワンの存在になれるか。もちろん、それは簡単ではない。サッカースキルだけじゃほぼ無理なわけです。でも諦めたくなくて、考えて、考えて、考えて、絶対に譲れないというものが、一つ見つかった。何やと思いますか?」
何だろうと考えていると、本田が言葉をかぶせた。
「僕がたどり着いたのは根性なんです。僕って祖父母に育てられたんですね。めちゃくちゃ厳しい、昭和のど真ん中の教育です。団塊世代の人たちが受けたような教育じゃないかな。そこに父親や兄とサッカーというツールを通じて、男として強く生きるための多くを学ぶことができた。今の30歳で、こういう環境で生まれ育った人間はほとんどいないと思う。これまでいろんな経験をしてきて、少なくとも自分の身の回りで、根性で僕を上回った人間は一人もいなかった。サッカー選手で俺以上に根性あるやつは見たことがない」
――根性が一番試されるのはどんな時だろう。
「一番違いが出るのは、心が傷ついた時。とにかく苦難に直面している時にこそ、根性の真価が問われる。自分にとっての最大の苦難は死で、それ以外はどんな失敗や困難に陥ったとしても、次の挑戦に向かう自信があるし、それらの困難はちっぽけだと考えることができる。どんな困難であってもというのが大事なんです」
――ピンチほど燃えるというのは、究極の天邪鬼と言えるかも。
「なんでなんですかね、自分でも分析できない。ただ、命ってすごく儚いなって日々思う。明日には移動の飛行機が落ちてしまうかもしれない。それを想像すると、時間の尊さをものすごく感じる」
――落ち込むことはある?
「落ち込むことも、傷つくこともある。それは事実。ただ、考える視点が一つじゃないねん。自分だけの目線で考えないという習慣が身についている。多方向から物事を見るということが、トレーニングで身についている。これは誰でも身につけられること。大事なのは人のことをわかってあげようとか、他者の気持ちを想像すること。何か自分が落ち込むことがあったときに、ちょっと待てよと。自分ばっかり不平等なことが起こっていると思っていていいのかと。あの人だって辛いことがあるんじゃないかとか。傷ついていいんだけど、落ち込んでいいんだけど、引きずらずに自問自答して欲しい。もしかしたら、ちっぽけなことなんじゃないかなと。そうしたら落ち込んでいる時間がもったいなく感じてくる。それが俺の言うポジティブかな」
――最近、落ち込んだことは?
「毎日、落ち込んでいるよ。自分ができることが限られているのをわかっているつもりでも、やっぱり悔しい。選手としても、人としても。無力さを痛感している。いつ夢半ばで途絶えることになるかもしれないと思うと、自分が偉そうに努力やら情熱やら、日本代表で世界一とかいろんなフレーズを使っていることがホンマちっぽけやなって。地球の一部分でイキがっているだけ」
――無力だと感じた時に、そこからどうやって気持ちを盛り返すのか。
「後悔せんとこ、っていうことかな。やりたいことをやろうと。成功とか失敗とか、どっちでもええやん、そんなもんと。そんなことを考えてたら、次々に壮大なアイデアが浮かんでくるんです」
プロスポーツの世界は残酷だ。成功と失敗のボーダーがはっきりしており、努力では越えられない身体能力の壁がある。だが、それでも本田は頂点へ駆け上がることを諦めていない。2017年も根性をガソリンに燃え続ける。 〔2016/12/31/sat〕
その後、メキシコのパチューカへ移籍した本田は、
2017年11月8日 メキシコ杯準々決勝のティフアナ戦で先発し、
約50メートルのドリブル突破で4人を抜いてシュートを決めた。
この日、チームは4-0で快勝した。