今日はくすの木学童塾の今月の「かわら版」から奈々子先生のコラムを紹介します。
幼稚園では、十月から各園で幼稚園説明会があり、十一月一日に新入園児面接を行いました。
初めて我が子を入園させるにあたって、保護者の方々によく聞かれる事は、
「ウチの子、できるようになるのでしょうか?」
卒園させた子どもを持つ皆様にとっては、「大丈夫!」と思える事も、不安で当然です。
私達は一人ひとりにあった環境を与えて一緒に考えていきますので、どの子もできるようになります。
その集大成を発表会で目の当たりにした時の感動は、忘れる事が出来ないものになっている事でしょう。
でも、あまり上手くなかったら、失敗したら、それは出来なかったという結果なのでしょうか。
また、楽しそうじゃなかったら、それは合っていなかったという事なのでしょうか。
ウチの次女は発表会の体操発表で見事に技の失敗をしました。
本人は、多分まだ、その時のビデオを見る事ができていません(笑)
ものすごく悔しい思いをしているはずです。
もしかしたら、体操発表は楽しくない思い出かもしれません。
でも、私は、その経験が良かったと思います。
練習では何度もできていたのに本番でできない事。
何度練習してもあの子のように上手にならなかった事。
緊張して失敗した事…。そんな経験一つひとつが糧になっているはずです。
私は、「必ずできるようになりますよ」と説明しながら、こうも思います。
《でも、できたかできなかったか、この子のたった6年間で人生が決まるわけではないのですよ》と。
幼稚園時代にすぐ出る結果と、まだまだ潜伏期間で表には現れない事とがあります。
小学生のうちもまだまだです。物事に積極的に取り組めないとか、
落ち着きがなくて突っ走ってしまうとか、気になる事はあるかもしれませんが、
我が子を自立させるためにはどう関わっていけばいいのか、考え続けるのが親の役目だと思います。
我が家の息子(高一)も、不器用で6歳の頃は何をやってもうまくいかず、
父親から厳しいことを言われて、よく悔し泣きをしていました。
小中学生の頃も同じでした。思うような結果も出なかったからこそ、
努力をさせる事の大切さを言い続けることが出来ました。
幼稚園時代、簡単に何でもできるようになっていたら、
努力を教える機会を逸してしまったかもしれません。
息子もまだまだ自立とは言えませんが、今は親の言うことよりも、
失敗や挫折を通して自分で目標に向かっているようです。
白水 奈々子