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子育て vol.39『2011年11月のハナシ』

くすの木幼稚園  副園長 関 恵子

今月は、タイムスリップして、10年前の園だよりに掲載した内容を…。長女小6・次女小3・三女小1の頃のオハナシです…!

 

親として、我が子との葛藤は日々イロイロあります。その内容は、食事だったり、身支度だったり、挨拶だったり、本当に様々。でもそのほとんどは、いわゆる『しつけ』と言われるものばかりで、もっとざっくり言えば我が子の身を案じるものばかりのような気がします。「ちゃんと食べなきゃ体が…」「こんなにマイペースじゃ皆について行けないかも…」「この子の気持ちはちゃんと伝わってるのかな…」等々。やっぱり、誰よりも可愛い我が子。心配になるのは親として当然のことですよね。でも…。その心配の度を越した時、『心配』は『過保護・過干渉』に名前を変えます。このボーダーラインが、難しい…!

私が過保護だなぁ…と自覚する瞬間。それは、娘達が家を出るが出るまで忘れ物が無いかと確認をする時。次女・三女に「○○は持った?」「○○入れた?」「忘れ物は本当に無い?」しつこいくらいに問いかける私に、傍で聞いている長女なんかは少々あきれています。でも、忘れ物をして困っている姿を想像すると、ついつい…。私の声かけ一つで忘れ物の「困った…」を避けてあげられるのであれば、いくらでも声をかけてあげたい。…そんな風に考えてしまう私を冷静に客観視すると、これはもう『過保護』だなぁ…と。私自身、忘れ物をして叱られた経験なんか、いくらでもあります。そう言えば長女は、三年生の頃の忘れ物に厳しい担任の先生のおかげで、ほとんど忘れ物をしません。たぶん、忘れ物をして厳しく叱られたのでしょう。『困った』から得るものは、きっと大きいのです。…そう。『困った』をさせないように…と気を揉むより、『困った』をさせた方が、間違いなく子どもの生きる力になるのです。もちろん、私だって、一生「忘れ物は?」なんて問いかけるつもりは無いんです。無いんですが…。

さて、私の場合は忘れ物の話でしたが、実は幼稚園では『過保護』な話題には事欠きません。一番多いのは薄着に関すること。今年のように、夏日から急に気温が下がった日なんかは、見事にその『過保護』さが露呈します笑。…でも、まぁ、確かに気になりますよね。「風邪を引かせたくない」その気持ちは、母親としてよく分かります。我が子に病気をさせることほど、辛いことは無いなぁと思います。だから、ついつい長袖を…。ベストを…。に、なりがちなのですが、そこはグッと我慢を…してみませんか? 私の忘れものと同じで、一生我が子に衣服を選んであげることはできません。だからこそ、自分で薄着を心がける子どもにしてあげられると、もしかすると、丈夫な体を一生持つことができるかもしれません。「ウチの子は寒がりで…」等、個人差はあると思います。でも、8割の子どもが半袖でOKの気温なら、その8割に入った方が、きっと、丈夫になれる…はずです! もちろん、震える我が子に無理強いをしてください、なんて、言うつもりは毛頭ありませんので、ご安心を…。

ところで、まだまだ日中汗ばむ頃、長袖の子に「もう長袖?まだ半袖で来たら?」と、声をかけると、そのお母様に「そうでしょ~。自分で選ぶんですよ。言っても聞かなくて。だから着せました~」と言われたことがあります。…これは、先程の話とは逆で、自分で選んだからOKではなく、親である私達がしっかりと判断をしてあげたい部分です。『くすっ子』にも掲げている『自分で考えて自分でやってみること』とは、少々違います。何と言ってもやっぱりまだまだ4~5歳の子ども達。遊びや体操等保育活動の中での判断能力は日々習得中ですが、生活における判断能力はまだまだありません。同様に、「習いたいと言ったから」と、スイミングやダンスの教室に通わせ、「辞めたい」と言いだした時に「やりたいと言ったのはあなたなんだから…」と咎めるのは、学童期にも満たない幼児期の子ども達には、少々厳しいことだと思います。

薄着にしても、習いごとにしても、子どもの意見だけではなく、親の意見もしっかりと伝え、納得させることが大切です。…ハイ、大切だと思っています。思っていますが…。『忘れ物』から判断すると、私の実態は、過保護一歩手前…なのかもしれません笑!

 

この頃から10年。長女・次女はあたりまえと言うことにして、高2の三女に「忘れものない?」なんて声をかけることはもちろんありません。…と言うか、逆に、「プリント出しとったけど読んでくれた?」「今日までの提出物にサインしてくれとる?」と、今度は私のダメさがつつかれまくっています。

「お母さんは頼りにならない」…最近、三人の娘から間違いなくそう思われているようです。あのまま過保護過干渉まっしぐらだったら…。想像すると、ちょっと怖いですね。私は娘の行動を把握せずにはいられず逐一口を出していて、娘は、一人では何にも判断できない、いつも誰かに依存するような、甘ったれになっていたかもしれません…。あの時に「私って、もしかして過保護かも」そう思えたことが、道を分けてくれたのだと思います。

さて、お母さん! 10年前の私のような『過保護・過干渉』の気持ち…もしも心の中に見つけたら、早めに手放した方が、絶対に良いと思いますよ…!

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