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子育て vol.38『親が楽になる?自立のススメ』

森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水 奈々子 

 長い夏休み、しかもコロナ禍で思うように旅行や遊びに出掛けられない…。子ども達が小さかった頃、夏休みと言えば、一日中食事を作っている気がしていました。お母様お父様方、本当にお疲れ様でした。でも、そんな生活もいつまでも続くわけではありませんので、頑張ってくださいね!我が家のように子ども達が大きくなってしまえば、「お母さん出掛けるね~、お昼は自分で適当に食べててね!」と堂々と言えるようになりますよ笑。…いえ、失礼致しました。中にはきっと、家事が得意で三度の食事もお手のもの!という方々もいらっしゃると思いますので必ずしも、それがいい事とは限りませんね…。

 少なくとも私は、よく言えば子ども達の自立、悪く言えば?楽をするために子ども達が小さな時から色々と意識してきました。こだわってきたことはたくさんあるのですが…それが良かったのか、子ども達が本当の意味で自立できているのか、実はまだ全然分かりません。「こだわってきて良かった!」or「変にこだわっただけで、意味があったのか?」それは、もしかしたら永遠に自問自答し続けていくのかもしれません。でも、目の前には我が子がいて、私には社会に出すまで保護者としての責任があります。正解も不正解もないけれど、責任のある大人として、ある程度のことを押し付けてきました。

《家の中での自分の仕事を与える》《ゲームを与えない》《極力、送り迎えしない》《身のまわりのことは自分でする》…など。思い返すと、少し、よそよりこだわりが強めだったのかな、とは思います。家の中では子ども達三人にそれぞれの役割がありました。例えば洗濯物の担当の長女がサボれば、部屋の中の洗濯物の山がどんどん大きくなるだけで、誰も代わりにしません。何日溜まっても、です。そしてこれらは【お手伝い】ではなく、【仕事】だと言い続けていました。私の言い分は、「お手伝いって、お母さんがやる前提の仕事を手伝おうか、ってことでしょ?そうじゃないよね?」です。おかげで、さばけない私の家事をみんなで手分けすることで、自分の仕事を続けてこれました。朝のパンを自分で焼くこと、ご飯や味噌汁は自分でつぐこと、水筒のお茶を入れること、洗濯物は所定の場所へ持っていくこと、自分の必要なものにアイロンをかけること…させてみたらできることはたくさんあります。楽…いえ、子どもの自立のためにできることを探してみて下さい。

 それともう一つ、きょうだい三人共にさせてきたことは、家を出して他人と寝食を共にさせる経験です。長女は、小学生の時に『少年の船』で沖縄に行きました。出発まで数回研修を行いながらメンバー同士の親睦を深め、飛行機や船を使って三泊ほどの旅です。長男は、ラグビーのクラブチームに所属していたので、毎年合宿があっていましたが、それと別に数日、『農村留学』に行きました。博多駅まで送って「はい、行ってらっしゃい」。あとは全く知らないメンバーで全く知らない農家のお宅へホームステイ。長男の表情は「不安…」以外の何物でもありませんでした。次女は以前も書きましたが、10ヶ月間、隔週で二泊三日の『自然塾』へ。これらの経験が今、活かされているのかどうか分かりませんが、確実に経験として残ってはいるはずです。きっと、親元を離れて、今までお母さんやお父さんにしてもらっていたと気づくことや、これくらい自分でできるんだ!と自信になったことがあったことと思います。些細な気づきかもしれませんが、離れてみないと気づけないことです。そして、家族ではない、他人との関わりを通して、思うようにいかないことや合わせていくことを覚えていったことでしょう。

これは、この夏に一泊二日で行ったくすの木学童塾でのキャンプでも、大いに感じました。普段、ご飯はよそってもらうのが当たり前、お茶はいつもお母さんが入れてくれるもの…。そんな子ども達も『働かざる者食うべからず』を掲げた学童塾のキャンプ中は、自分からよく動いていました。親が心配するよりも、やってみたらできることはたくさんあります。できないのではないかと決めつけ、してあげることが親の役目だと勘違いしていると、子どもの成長の機会を逸してしまいます。これには、親の覚悟も必要。でもその覚悟って、子どもの為を想うなら、そんなに難しいことではないと思いますよ。

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