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子育て vol.29『ウチのルール』

くすの木幼稚園  副園長 関 恵子

 「そんなこと言うのお母さんだけやけん!」「友達のお母さんはいいっていうのに!」「どうせお母さんはダメしか言わんやん!」…そんな台詞を我が子達に何度言われたことか笑

 それは、ゲーム機を買うか買わないかだったり、学校を休むか休まないかだったり、友達の家に泊まるか泊まらないかだったり、門限があるかないかだったり、色々色々…。まあ、娘達の要求はよくわかる。よく…というか、そんなものだろうと思います。自分を振り返ってみても、当てはまるものがあった…りなかったりします。ゲーム機は…私自身があまり興味がなかったので、そんなに欲しいとも思いませんでしたが、学校は…ああ、まあ、『行かねばならないもの』だったので、「休みたい」なんて恐ろしくて口にしたことはありませんでした。でも、友達の家に泊まりたい…は、ダメもとで言葉にしてみて…めちゃくちゃお説教されましたし、門限も何も、理由なく遅く帰ることなんて許されるはずもなく、他にもいろんなことで、『友達の家』は良くても、『私の家』ではダメだと言われることがたくさんありました。…その度に、「ああ、私って可哀そう」「いつか家出してやる」なんてバカなことを考えてみたり、友達に親の文句を言ってみたりしたものです。

 …今となっては、ただの記憶です。別に笑い話でもなく、良い思い出でもありません。私の家はこうだった、というただそれだけの事実です。ただ、この記憶は、決してイヤな、私を苦しめるような、そんな記憶ではありません。友達と一緒に外泊ができなかった…という記憶はありますが、それを理由に友達と険悪になったような記憶はありませんし、両親は間違いなく『厳しい』人達で、いろんなことに制限がありましたが、当然ですがそれを恨んでもいません。…ただ、まあ、その状況下で、いかに親の目を盗んで楽しむか…ということに全力を注いだ思春期だったかもしれません笑。やりすぎて怒られる。両親からも先生からも。逃げも隠れもしない正義感?が芽生える時もあれば、ウソもつきましたし、未だに隠し通している秘密もあります。…誰しもそんなものではないのでしょうか。違いますかね笑

 さて、こんな私の娘達なので、当然のように様々な制限があるわけです。スマホを与える時期一つでも、相当考えました。決して意地悪ではなく、そうする方が良いと思って決めているつもりのルール。小学生までは、渋々従っても、中学生、高校生、と思春期にもなれば渋々どころか私との大喧嘩の末、諦めるという構図。つい先日も高3の次女が「ねえ、みんなで友達の家に泊まることになったっちゃけど、イイ?」と聞いてきました。私にしてみれば、不思議でならない。見てるよね?過去に散々聞いてきたよね?お姉ちゃんとお母さんのやり取り。「高校生までは外泊禁止」って、ウチのルール、知ってるよね?それなのに、ナゼ聞く???あわよくば…とか思うと?…その時はLINEで聞いてきたので、私も淡々と「ダメです」と返しました。直接じゃないと感情的にならずに済むなぁなんて思いながら笑。数十分後に来た返事は、絵文字もスタンプもない「は~い」の一言。おや、珍しく素直。でも、帰宅して顔を合わせた次女は、決して私の目を見ないし、会話はナシ、「いただきます」と「ごちそうさま」のみ。…怒ってる。まぁ、そりゃそうか。

高1の三女にも、朝から遊んだ挙句、「晩ご飯も食べてくる」と言われて「ダメだ」と言いました。これも、長女や次女にも言ってきたこと。知ってるはずなんだけどなぁ。みんなまだ遊んでいるのに、自分だけ抜けて帰ってくる淋しさ。帰宅後、ポロポロと泣く姿を見て、そりゃあ、私だって胸が痛まないわけではありません。でも、高校生になったばかりで、晩ご飯まで?みんなお小遣いどうなってるの?朝から遊びに行ってお昼ごはんならまだしも、昼も夜もって、それが普通なの?じゃあ、イイよ、我が家は普通じゃなくて。

娘達の中で、どんな葛藤があったかはわかりませんし、友達にどんな説明をしたのかもわかりません。でも、まあ、時代は違えども、女子ってこんな感じ?と想像できるので、その時娘達が何を考えていたのかは大体わかっているつもりです。あの頃の私がそうだったように、「なんで私ばっかり」「なんでお母さんは…」「ああ、お母さんムカつく!」「みんなと一緒が良かった…」「もうこんな家イヤ!」…いろんなことを思っていることでしょう。もちろん、私だって鉄の心を持っているわけではありませんから、こんな風に思われて平気なわけではありません。それなりに葛藤はあります。

でも。どうしても譲れない、ウチのルール。それは、信念とかそんな立派なものではありません。ただ単に、女の子は、そんなに遅くまで出歩いてほしくない、何でもかんでも友達に合わせなくていい、お小遣いは考えて遣ってほしい…。もっと言えば、こんなルールを踏まえて、これをしたらお父さんやお母さんはなんて言うだろう、どう思うだろう、そんなことを考えながら人との関わり方や善悪をわかっていってほしいなぁ…そう思うのです。

…言うは易く…なんですけどね。心配も尽きなければ、これでイイんだなんて自信の欠片もないんですけどね!

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