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子育て vol.28『子育ての答え合わせ』

 私事ですが、今年の4月から長女が働き始めました。家を出て、自分で働いたお金で食事を作り、光熱費を払い、自分のためではなく、人のために奮闘する毎日。いわゆる『自立』をしました。

もしかしたら、これが『子育て卒業』なのでしょうか…。実感がないのは、多分、まだまだ色々なことが「母」として心配だから。だって、『母親卒業』する日はないのだから。

 思い返すと、必死で余裕がなく苛立つことの多かった長女の子育て。一応、学校で幼児教育、子どもの心理学など勉強してきました。しかし、いざ生んで育てているとそんなことはぶっ飛び、目の前の子どもに振り回される毎日でした。それは『私の思うように』育ってくれなかったからだろうな、と今は思えます。「なんで寝てくれない!」「なんでここで泣く!」と、私の思い通りにならないことが苦しかったのだろうと…。

 でも、子どもの思い通りにしていては生活が成り立ちません。ましてや、生活習慣や人との関わりを教えていくのが大人の役割です。勉強したことなんて役に立たないと思いつつ、実は「子育てはこうしなければいけない」という考えに縛られていたのかもしれません。

 色々思い悩んでいた子育てでしたが、ある時から少しシンプルに考えられるようになりました。それは、長女がトラブルに巻き込まれた時の事でした。母親にべったりの娘でしたので、他人とのトラブルなんて起きるわけがありません。1歳半違いで生まれた長男は、幼いころから姉には絶対服従でしたので、喧嘩になることもありませんでした笑。

それが、小1の時、いわゆる女の子グループの抗争に巻き込まれ…。グループ内のお母さん達が気を遣い、ああやってみよう、こうやってみようと、子ども達を仲良くさせる方法を考えてくれていました。その時に私は、親としての役目をはっきり認識することができました。それは、大人が間に入るのではなく、ただ『この子を強くしなければいけない』ということ。親や大人のいないところで、これからどんなことに直面するか分からない。特にトラブルに免疫のない長女は『強くなる』ことで、自分を守っていかなければいけない、と。もちろん、大人の根回しなどしません。本人に言い聞かせるのみ。娘は辛かっただろうし、私も心配でした。でも今思えば、そのトラブルがあったからこそ、子育ての「軸」のようなものが、私の中で芽生え始めたと思います。何のトラブルもなく、また、何も考えず大人が解決してあげていたら、私の中に「軸」はできていないでしょう。

 それ以来、三人の子ども達には、『強くする』ために、という想いで子育てをしてきました。理由がない限り送り迎えしないのも、よその家では許されることもうちでは許されないことも、『強くする』ため。ですので、優しいお母さんとは無縁…子ども達が早く家を出たがるのも無理ないですね笑。でも、もう一度子育てをやり直しても、同じでしょう。私にはこのやり方しかできない…。

 実は、私もよく叱られて育ちました。ある程度大きくなってからもよく怒鳴られていたのですが、(どんな事やらかしていたのでしょう…笑)父に言われていたのが「二十歳まで保護者の責任なんだぞ!」ということ。そうですよね、子どもに責任は取らせられない。親になり、その言葉をよく思い返します。我が子に、人に迷惑をかけるようなことをさせてはいけない、そんな想いも厳しい母親に拍車をかけているのでしょう。

 長男は二十歳を過ぎましたが、学生なのでまだ「子ども」。もちろん高校生の次女も同様で、まだしばらく私のガミガミに付き合わざるを得ません。あんなに頭を悩ませた長女は、もう責任のとれる「大人」。私が教えることはもうあまりありません。ただこれからが、家庭での教えが本当に間違ってなかったのかが問われます。社会で通用するのか…。まさに、『自立』させてからが子育ての答え合わせ?!なのかもしれません。

森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水 奈々子

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