森の木幼稚園・くすの木学童塾 白水 奈々子
新しい年が始まりました。大掃除と言っても、大晦日に家族で手分けしてバタバタと…それくらいでは一年間積りに積もったモノはスッキリ綺麗になるわけではなく。それでも1月1日はやってくるわけで…。私の最大のザンゲは日頃のズボラ家事でもあります。
そんな我が家では、1日は家族でおせちをつつき、それから初詣に行く決まりです。年の初めに、神様の前で願うことは、
『家族が健康で幸せに過ごせますように…』
受験生を抱えている時以外は、ほぼ毎年同じ願いです。どのご家庭もこれに尽きるのではないでしょうか。大きな怪我や病気をせず健康に暮らせるだけでいい。
ただし、神様に願うだけでは、『健康で幸せに』いられません。子どもが『健康』に育ち成長するためには、しっかり食べてしっかり睡眠をとる。そのために大人は、好き嫌いなく何でも食べられるように言い続けなければいけません。食べ物への感謝も忘れずに。睡眠をとるための早寝早起きも、初めは親が習慣をつけてあげなければいけません。グズグズしていたらどんどん寝る時間が遅くなる…。でも、寝る前にはせめて好きな本を一冊読んであげたい。そして、できればスポーツをさせて、体を鍛えるのと共に規律も学んで欲しい。
また、『幸せ』な人生を送るには、友達が欠かせません。人の痛みの分かる優しい子になって欲しい。そして、年齢が上がってくると、お互いに高め合う友だち関係が築ければ最高ですね。そのためには、やはり勉強もして人間的な幅を広げていくことも必要でしょう。夢中になれる何かを見つけ自主的に学んでくれたら文句ナシ!でも、学歴だけでは幸せを感じることはできないかもしれません。だから、『心』を育てていかなくてはいけない…。少々のことではへこたれない強さや、チャレンジしようとする気持ちを育てることが必要!そう考えると、甘やかしてばかりで依存心の強い子どもにしてしまっては、子どもを『幸せ』にしてあげることはできないのではないかな…。
子どもが『健康で幸せに』というのは、単純なようで奥が深く、そのために私達大人が、何をどう教えて、与いくかが大きく影響するのだと改めて思いました。
とは言え、自分の子育てを振り返ってみてもそんなことを考えている余裕はなく、目の前の、言うことを聞かない、グズグズする、すぐ泣く我が子にただガミガミ言うばかりでした。「全部子ども達の幸せを願って」というのは、後になって取ってつけたような理由だったかもしれません。私もまだまだ親として未熟で、自問自答してばかりです。子育ての終着点ってどこなのでしょう…。
長女がこの春から就職のため、家を出ることになりました。一緒に不動産屋を回り、電化製品を吟味し、日用品を買い揃えていく中で、実家でどれだけ甘えた生活をしていたか身に沁みていたようです。いつもあるはずのトイレットペーパーも、洗剤も、常備薬もすべて自分で買わないと揃わない。その膨大な準備物に、楽しみだった理想の一人暮らしが現実味を帯びてきているようです。
モノは揃っても、本当に大事なのはこれから。そして、私にとっても彼女が仕事をしながらどう生活をし、自立していくのか、楽しみでもあり、自分の子育ての結果を見るようでもあり、複雑な思いです。
これから社会に出て、人の役に立てることと同時に、家族以外の方々に社会人として教育してもらえることの有難さをしっかり感じて欲しいと願っています。