子育ても終盤にさしかかり、最近は我が子達と落ち着いて会話ができることも増えてきました。子ども達には、人に迷惑をかけないように、そして私がいなくても生きていけるように、ひたすらガミガミ言ってきました。なので私は、息子の仲間内で常に怖い母親のトップにいました(笑)。そう思われても別にいいんです。だって、私には子どもを一人前にさせる責任があるから。あれもこれも、自分でできるようにしておかないと…という実は心配のカタマリだったのかも。あと、私が楽をしたいから自分でしてもらう…という両方ですね。
というわけで、私は特に息子には厳しくしてきました。将来一家を背負っていかないといけないから。でも、私の前に立ちはだかったのは、理解できない《男の子の生態》。姉と二人姉妹で育った私は、男の子というものを知らな過ぎました。
きっと本能的なものがそうさせるのでしょうが、物心ついたころから常に目の前には敵がいて、なんだかんだ言いながら戦っていました(だいたいソファーから飛んでやっつけるパターン)。その本気度には、「この子大丈夫?ナニか見えてる?」と思うこともしばしば。また、好きなモノを見つけると、とことんハマり込みきっと頭の中はそれだけなのだろうと思わせるほど。その後も何かにハマり続ける姿は父親似…!?そして、それが男の生態なんだ!という発見でもありました。
幼少期、息子は幼稚園や学校のことをほとんど話してくれませんでした。いや、今もですが。外で何をしているのか、誰と仲がいいのか分からない、聞いても「忘れた」「知らん」…。そんな態度に、「何で忘れるとよ、知らんって何?」と言ったところで母のイライラは募るばかり。息子に対しての《???》は解消されるどころか増える一方でした。幼稚園ごっこや友達に手紙を書くのに必死な長女次女とは明らかに違う。「友達いるのか?」と疑ったこともありました。理解できないからついガミガミ。何度言っても分かってナイ、でも言わないと好きなこと以外シナイ、サボる、隠す、逃げる。でも、そんなことは許したくないからガミガミ、の繰り返し。
そんな頃、「花まる学習会」の創設者でも有名な高濱正伸先生の講演を聞き、《男の子はカブトムシと思えばいい》という衝撃の言葉を耳にしました。カブトムシを飼っていると思って観察して生態を学ぶとよい、と。少し極端な例ではありますが、私にはピタッとハマりました。オス特有のその角を折ることなくのびのびとさせ、見守ること。そして女性の価値観を押し付けてばかりではいけないことを思い知らされました。
でも、子育ての中では、ダメなものはダメ!です。親として子どもを一人前に育てなければいけないことも忘れてはいけません。幼少期である今は、お母さんが何でも先回りしないで自分でできるように促してやってくださいね。そして、できるようになったらほめてあげると喜んで自分でするようになるでしょう。特に男の子は単純ですから(笑)。
一方、よく母親を観察し、察することができる女の子。成長するほど自分に似てきてイライラ。言葉もよく理解できるので、男の子のように単純にいかないことも多々あります。きちんと話す時間が大事で、そうすれば分かってくれることも多かった気がします。
幼少期は男の子と女の子で接し方を変える必要はそうないと思います。でも、生態のチガイは分かっておいた方がいいでしょうね。それって意味あるの???と思えることを好んでするのが男の子。そう思えば、少しは楽になりませんか…?
森の木幼稚園・くすの木学童塾 白水奈々子