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子育て Vol.65『善悪を教えるって…?』

くすの木幼稚園  副園長 関 恵子

 子供が嘘をついた時…お友達に嫌な思いをさせた時…何か、『悪いこと』をした時、ご家庭でちゃんとその善悪を教えることができているでしょうか。
 …私は、「なんでそんなことしたの!」と、叱り飛ばすことばかりで、あまり『諭す』ということをしてきませんでした。もちろん、叱る中で何がいけないのかや、謝ることの大切さ等を教えてはいましたが、果たして、叱られてただ泣くばかりの我が子と、ダメだダメだと叱るばかりの私との間で、その重要な部分が伝わっていたのかどうか…。伝わっていなかったでしょうね…。とは言え、相手があることなら、我が子と一緒に先方の家に行き謝ることをしましたし、電話口で必死に頭を下げたなんてこともありました。その私の姿を見て、悪いことをしたのだとわかってほしい。そんな願いも込めながら…。

 でも、同じようなことをまたするのです。それが悪いことだとなぜわからないのだろう、この子には善悪の判断がつけられないのだろうか、このまま大きくなったらきっととんでもないことになる、今のうちに教えなきゃ、わからせなきゃ、この子が幸せになれない…! 事が起こった時はいつもそう思っていました。怖かったのです。この子から友達がいなくなったらどうしよう…この子が大きくなって罪を犯したらどうしよう…と。そしてもう一つ。世間体のようなものもありました。「あそこの子は悪い子だ」「あそこの親はどんなしつけをしてるんだろう」そんな風に思われるのも怖かったのです。
 大袈裟に聞こえるかもしれませんが、当時の私は、そんな焦りとも恐怖とも言える感情に押しつぶされそうになることがありました。でも、どうして良いかわからない。ただとにかく、何かしらの『悪いこと』をした我が子を叱らなきゃ…!

 もっとおおらかに、「子供はそんなことをすることもある、善悪を教える良い機会ととらえよう」そんな風に考えられたら、もしかしたら叱りつける前に、落ち着いて諭すことが私にもできたのかもしれません。…でも、目先の対応しかできず、ちっぽけな見栄にとらわれていた私には、それができませんでした。例えば嘘をついたなら、「なぜ嘘をついたのか」という背景を知る為に、「嘘ついたらダメやろ!」と叱るのではなく、落ち着いてその理由を聞いてあげると良かったのだと思います。もし、宿題をやっていないのに「終わった」と嘘をついたのなら、テレビを観たかったのか、そもそも勉強についていけていないのか、何かほかに悩みがあるのか等々、その理由を知ればどんな風に関われば良いのかと考えることができるのでしょう。…私の思い込みで、ああだこうだと言う前にまずは話を聞く。結局は、ただ一つのこのことができれば、良かったのです…。

 幼稚園からお渡ししている『BOOKLET』や、幼稚園で子供達と一緒に読んでいる『おやくそく(高濱正伸著)』という絵本は、もし、あの頃の私と同じようにどうして良いかわからない…と感じている保護者の方がいらっしゃったら、きっと強い味方となってくれると思います。一人で悩んでも良いことなんてありません。私が証明しています笑。力を借りましょう。本からでも。幼稚園からでも。私達は、いつでも力になりますよ…!

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