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子育て Vol.64 『行きたくナ~イ!』

 森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水 奈々子 

 「幼稚園行きたくない」
 「学校行きたくない」
我が子達が、幼稚園、小学校、中学校に通っていた頃、一番聞きたくなかった言葉です。
親である私は、内心
 「こんな忙しい時に言わんで」「絶対行かせなきゃ!」「本当にお腹が痛いのかな」「仕事に遅れる…」「何か嫌なことがあるのかな」「一日くらい休んでもいいのかな」「も~!いい加減にして!」
…いろんな思いが交錯し、子供の言い分をどこまで聞くのか聞かないのか葛藤しながら、結局、「行ってきなさ~い!!」と玄関から押し出していました。
 行き渋りが一番激しかったのは長女で、始まりは幼稚園です。毎朝、幼稚園の靴箱の前で今生の別れのような場面が繰り広げられていました。「ギャ~!!おが~ざ~ん!!」と響き渡る泣き声。毎日のことで慣れてしまった私は、長女が絡ませてくる手を力づくで払いのけ、振り向くことなく帰っていました。どうやら園では長泣きはしていなかったようなので、別れ際の儀式のようなものだったのでしょう。
 小学校に入学すると嘘のように行き渋りはなくなり、「今までは何だったの?」という感じでした。でも、何も問題がなかったわけではなく、逆に「学校から一人で帰れない」と言って泣き叫び、担任の先生が自宅玄関まで送って下さったことも一回ではありません。中学校でまた「学校行かん~!!」が始まり、「また来たか~」という感じでしたが、幼稚園の頃のように手を振り払うだけでは行きません。担任の先生や友達、相談できる知人…色々な人の手を借りて乗り切ることができました。
 長男のケースはまた違っていました。小学校高学年位になり、思っていることを表に出さなくなってきてから体の症状で訴えてくるようになりました。「おなか痛い」「吐きそう」「きつい」そこでまた私の葛藤。「嘘やろ」「本当かいな」「とりあえず行って」。黙り込む姿にもイライラ…。習い事でも、送った車から降りる直前になって「気分悪い…」。心配と怒りの混じったため息をつくこともしばしばでした。
 思い起こせば、幼稚園の行き渋りは、まだまだカワイイものでした。子供の言葉に一喜一憂せずにワガママは通さないという親の姿勢が大事です。約三年間毎朝泣いていても何とかなりました笑。私も沢山葛藤して、悩んで、こっちまで泣きそうになったこともありました。でも、子供の言い分を何でも優先することはしませんでした。話は一応聞くけど、お母さんはこう思う、こうして欲しい(いや実際は、「こうしなさい」でした…)という姿勢は曲げずに伝え続けていました。子供を導くのが親ですから。正しいのか正しくないかなんて、分かりません。子供三人が成人した今でもそうです。正しいかどうかよりもっと大事なこと、そして何のために親はこんなに子育てで悩み続けるのでしょうか…。

 それは、『子供に幸せな人生を送って欲しいから』としか思いつきません。その為に必死に学校に行かせようとしてきたし、ワガママは許さないと叱り飛ばしてきたし、家での役割も与えてきました。全部、子供達の未来のために。

「行きたくない…」その一言をどう受け止め、どう対処し、どう励まし、どうやって前を向かせるか。悩みますね…。園でも悩みます。でも決して見捨てることはしません。行き渋りで悩んでいるお父さんお母さん、一緒に考えていきましょうね。

 最後に次女は…。幸い幼稚園から現在の大学生活に至るまで、ブツブツ文句は言うものの、「学校行かない」はありませんでした。唯一、小学校の時どうしても行かせたかった『自然塾』(月に二回、週末に二泊三日で自然体験をする塾)だけは断固拒否!「ぜ~~~ったい行かん!!」と泣き叫んでいました。しかし、一年かけて水面下で練っていた私の作戦勝ち!半ば諦め観念した様子で自然塾に通い始めました。でも、行きはじめると人生でなかなか経験できないことばかりで、心から楽しんでいました。たまにはこんな強引な作戦もいいかもしれませんよ。

 親の想い、信念をしっかり持って一緒に子供達の幸せを願っていきましょう。

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