またまた、福岡の企業コンサルタント ブレスカンパニーの坂東さんが
白水学園を分析してくれています。僕以上に白水学園を知っているのかも?
いつも過大評価ありがとうございます!でも、嬉しいです!
■1【幼稚園に学ぶ、組織マネジメント(後編)】————–
前回に引き続いて、くすの木幼稚園をケースに“組織マネジメント”
というテーマで考えてみたいと思います。
組織がずば抜けた成果を出す時に、「トップの想像力」が
ポイントだという話を書きましたが、それ以外に
必要な要素は、なんだと思いますか?!
優秀なマネージャー?
教育体制?
戦略立案力?
実行力?
くすの木幼稚園において際立っているのは、トップを筆頭
とした“向上心”です。
白水理事長は、成長意欲がとても高い方です。
『もっといい方法はないか?』『もっと良く出来ないか?』と
常に考えていて、情報収集を積極的にされています。
また、いいと思ったものは素直に耳を傾け、即実行されます。
そして、トップの向上心は中核となる先生方に浸透しています。
くすの木幼稚園では30歳前後の先生がリーダー層として
活躍されていますが、ある先生にこんな話を聞いた事があります。
「白水理事長に『定年まで(この園で)頼むぞ』と
言われたことがあります。その時は自分が認められたようで
最高に嬉しかったです。
けれど同時に、プレッシャーも感じています。
決して私の雇用や立場が安定的に保証されている訳ではないと
思うからです。
もし私が努力を怠って成長がストップしたら、すぐに見限られ
ちゃうなって思います。そういう緊張感があるんです。」
白水理事長との強い絆もさることながら、向上心の強さが
窺い知れて驚きました。
みなさんの会社では、いかがでしょうか?
他の先生からは、こんな話も。
「運動会や発表会など、幼稚園での行事について、
去年上手く行った方法を今年も同じようにやろうと
しても、白水理事長は納得してくれません。
『もっと面白くできるんじゃないか?』
もっと園児を成長させられるんじゃないか?
それを常に考えなさい』と言われるんです。」
最も厳しい基準と理想のイメージを、トップが持っている。
そして、自ら脱皮しながら、成長しながら、より高みへ
向かおうとする姿勢を見せ続ける。
その“背中”を見て共感した社員が、必死で食らいつき、
アイデアを生み出し、方法を発明し、道無き道を切り拓いて
いく。
ここで大事なのは、何のための向上心か?という“軸”です。
“ナンバーワンになりたい”とか、“収益をもっと上げたい”
という私的な“目標”では、先生方は動くでしょうか?
そうではなく、『目の前の園児を、今日より明日、もっと
成長させたい』という“志”が動機づけとなっているからこそ、
先生たちの心に火が着くのです。
トップを中心とした幹部層の、価値観共有と向上心の“塊”。
それが組織の求心力となり、他に類を見ない成果を出す
源泉となっているのだと思いました。
『組織はトップで99%決まる』とよく言われます。
白水理事長もそのコトバを度々口にされますが、
トップの何が組織のパフォーマンスを決定づけるのか?
分解してみると、下記の要素になるというのが僕の結論です。
★理想を想い描く『想像力』
★高みへ向かう『向上心』
★社員への『伝達力』『徹底力』
★私心なき明確な『志』
これは時代の変化に関わらず、また業態を問わずあてはまる
ではないでしょうか?
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■2【あとがき】———————————————–
くすの木幼稚園は、これまでずっと順風満帆だった訳では
ありません。
教育カリキュラムを現在の仕様に“大改革”したのは5年前。
その際には、保護者から異論反論がたくさん出たそうです。
『今までのやり方に特に問題も感じていないのに、わざわざ変える
必要があるのか?』
『全員が逆立ちとかできる必要ないでしょ。スパルタじゃないの?』
etc.
結果、入園希望者が大幅に減り、定員割れを起こしたりことも
ありました。
園児減少は、企業にとって売上が減ることと同義。
経営危機です。
その際に、白水理事長は、目先の収益を優先させるのではなく、
“子どもにとって本当にいい教育とは何か?”という“志”を貫いた
のです。
より高い成果を求めて、リスクをとって変化するという決断を
していくという点では、企業も幼稚園も変わらないですよね。
大きなチャレンジをして結果を出し、今では保護者から高い評価
を得ている白水剛さんは、素晴らしいトップだなあと思います!
株式会社ブレスカンパニー
代表取締役 坂東孝浩