森の木幼稚園・くすの木学童塾 白水 奈々子
慌ただしい年末年始もあっという間に過ぎましたが、お母様方、少しはゆっくりできたでしょうか。小さな子ども達のいるご家庭では、日頃ゆっくり休む暇なんてないと思いますので、実家でのんびりできるのは貴重な時間ですよね。
気づくと普段は三人家族になってしまった我が家も、お盆やお正月に五人揃うと自然と会話がはずみます。横浜で一人暮らしをしている息子も、きっとのんびりしたくて帰ってきているのでしょうが、我が家はそう甘くはありません。家にいた時同様に次から次に仕事をさせるので、うんざりしている様子でした。でも、まだ学生の身分ですし、当然のことですよね!
話は変わって、昨年長女が24歳の誕生日を迎えた日のことです。娘は2年前から社会人になり家を出ていますので、LINEでおめでとうを伝えました。「おめでとう」といっても、どんなに大変なお産だったかを書き連ねたものだったのですが…笑。すると、予想外の返信が返ってきました。それは、
「産んでくれてありがとう!!!」
というものでした。その文字を見た時、私はなぜかとても胸がざわめき、そしてス〜ッと楽になった感じがしたのです。「なんだこの感覚は…?」と自問自答してみて思ったのは、「あ〜、子育て終わったかも」というものでした。社会に出ているので終わっていると言えばそうかもしれませんが、その時に噛みしめたのです。逆に私は母に、この言葉を伝えたことがありません。感謝はしているものの、恥ずかしさや色々な感情でなかなか言えていません…。それをサラッと娘に言われ、驚きと共に、娘はもう大人になったんだなと、思った出来事でした。
24年前、初めての子育てで上手くいかないことだらけの毎日。人見知り&泣き方がハンパなく、未熟な母親だった私は逃げ出したいと何度も思いました。当時は専業主婦だったのですが、家で娘と二人きりでいるのに耐えられず、親子でサークルやプールに参加したり、託児付きの講義を受けたりする日々でした。1年半後に長男が生まれてからは赤ちゃん返りもあり、さらに泣くことも増え、私のイライラはMAXに! 泣くから怒る、さらに泣く、さらに怒るの無限のループ状態…笑。
そして、小さい頃から褒めたり認めたりすることより、強制したり、強要したり、否定したり…そんなことばかりで、思春期にはぶつかってばかりだった長女。私も、大人になりきれてなかったこともあり、ただの言い合いになる事もたくさんありました。でも、そんな娘の誕生日に気づかされたのは、もう干渉しなくても自分の人生を生きているのだな、ということでした。
私が子育てをする中でこだわってきたことは、自立し自分で責任をとれるまでは、勝手なことはさせられないということ。自分の意志を持つことと、勝手に判断して行動することは違います。(エラそうに言っている私は、かなり勝手なことをしてよく怒られていましたが…)親が『保護者』という立場で関わる間は、何かがあった時は、親の責任です。多少の不自由はあるかもしれませんが、自分の意志で選択しながら歩んでいくようになってからの方が、人生はずっと長いのです。まだ判断力が十分に育っていない時期には親が指針を示すべきであり、何でも自分で決めさせる、という訳にはいきません。
親である限り、責任がある限り、どうしても教えておかないといけないことがたくさんあります。言うことを聞かせなければいけないこともたくさんあります。それは、我が子を自立させ、社会貢献できる大人にするのと同時に、幸せになって欲しいからです。そこに、子どもに気を遣うとか、嫌われたくないので言えないとかは必要ありません!
社会に出るのはまだまだ先…と思っていたらあっという間に時間が過ぎてしまいました。長男も、いよいよ今春から社会人です。子どもが小さくて可愛かった頃に戻りたい…と思うことはありません。大変だったので笑。今思うのは、可愛かった過去よりも、三人の子ども達がこれからの自分の人生をどうやって切り開いていくのか…それを見ていくことの方が楽しみです!